Case Study
導⼊事例
防災・訓練

ドローンを活用した海岸パトロール

概 要

2020年夏、江ノ島に隣接する片瀬西浜では、ライフセーバーのパトロール活動にドローンを取り入れ、来場者の安全を確保する取り組みが行われました。当社はカスタムレスキュードローンを提供、パイロット派遣など取組みに参加しました。

背景‧課題
  • 例年より少ないライフセーバーによる広域な海岸の目視監視の限界
  • 河岸での禁止行為発見時の対応
  • 溺者発見時の迅速な救助
解決策
  • ズーム可能なカメラのドローンへの搭載
  • インフォメーションスピーカーのドローンへの搭載
  • 水面に落とされると広がる特殊浮力体のドローンへの搭載
導⼊効果
  • 海岸・海上・その周辺の広域監視を実現
  • 無線による直接呼びかけや録音音声発出による注意呼びかけを実現
  • 溺者発見時の救出サポートを実現

業務概要

【期間】
2020年7月~8月
【場所】
神奈川県片瀬西浜(神奈川県藤沢市)
【目的】
例年より少なく限りある人員での広い海岸の監視
【使用機体】
レスキュードローン(DJI M300改)、MAVIC2E
【内容】
① カスタマイズ機体による海岸監視、呼びかけ
② 溺者発見時の浮力体投下による溺者救出訓練

業務内容

神奈川県藤沢市では、毎年、海水浴場開設を前提にした神奈川県が定めるガイドラインに基づく「藤沢 海・浜のルールブック」を作成、運用されています。2020年はコロナウイルス感染拡大を防ぐため、県は「海水浴場を開設しない」と発表。藤沢市では片瀬海岸へ一定数の人が訪れることを予測し、市独自の「夏期海岸藤沢モデル2020」を策定、運用することとなりました。例年より少ない限りあるライフセーバーの数で広い海岸をいかに監視するかが課題となり、ドローンを活用した海岸パトロールをおこなうことになりました。

防塵防水機能を備えたDJI社のMatrice300RTKをカスタマイズし、呼びかけ用のスピーカー、レスキューポーチを搭載したドローンが1時間に1回、片瀬海岸西浜を飛行し、ドローンに搭載されたカメラが海上を撮影、ライフセーバーが陸上から監視します。禁止エリアでマリンスポーツを行っている人がいれば、スピーカーを搭載したドローンから注意を促します。

定期的な飛行のほかに、離岸流の発生が予測される際の沖の調査や、溺者発見時は浮力体を投下し溺者救出を支援する訓練も実施しました。

今回使用した機体

MATRICE300 RESCURE

DJI社製の産業用ドローンMATRICE 300 RTK(M300RTK)をレスキュー用にカスタマイズしました。

特徴は、インフォメーション用スピーカーと搭載物投下装置を搭載していることです。インフォメーションユニットは、無線で直接呼びかけをする機能とMP3プレイヤーで再生される音声の切り替えが可能になっています。また、搭載された浮力体は水面に落とされると即座に1.8mに広がり、溺者救出をサポートします。

PHANTOM4P_SURF PATRO

Flying Beach Guardiansでは、サーフセーバーと同等のカラーリングを施したPHANTOM4Proを運用しました。この機体は撥水加工済みで、投下装置を搭載したレスキュー用ドローンです。また浮力体の投下が可能な改造が施してあり、今回はパトロール本番前に行う投下訓練用として使用されました。パトロール本番中は、バックアップ機として待機しました。シールによるウエアではなく、耐久性のある塗装を施した美しい機体です

MAVIC 2 ENTERPRISE ZOOM

DJI社製の産業用ドローン。ズーム機能に優れており、最4倍までズームすることが可能です。今回のパトロールでは、このズーム機能を監視活動に使い、また機体上部に取り付けたスピーカーで海水浴客に対して呼びかけを行うなどのパトロール活動を行いました。

お客様の声

8月13日には神奈川県知事の黒岩知事がパトロールの様子を視察されました。

活動するライフセーバーの責任者らと意見交換し、海水浴場が整備されない中、サーファーや水上ボートと海水浴を楽しむ人の遊泳エリアを分けるなど、安全対策が工夫されていることを確認されました。また、皆さんが限られた現実の中でも楽しめる雰囲気ができていることは非常に良かった、と述べていました。


専門的なノウハウを持つエンジニアが、特殊な用途から一般的な活用まで現実的な運用を見越したカスタマイズで新たな可能性を実現します。

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